張藍(ちょうらん)

林冲の妻。夫を深く愛し、どんな状況でも家を守り続けた女性。高俅の陰謀という理不尽な運命に抗えなかった悲劇的な人物で、その貞操と純粋な愛情が作品の悲哀を象徴する。

第1巻「曙光の章」

第1章 天罡の星

林冲の妻であり、夫を深く愛して家庭を守っていた。しかし、夫を陥れようとする高俅の卑劣な陰謀に巻き込まれてしまう。平穏な日常が権力者の欲望によって理不尽に奪われた。

第4章 天雄の星

林冲の不在中に高俅の使者に襲撃された。夫を救うために嘘の証言をしようとしたが、最後は自身の貞操が汚されたことを恥じ、首を吊って自害した。命を懸けて夫への愛と自身の矜持を貫いた。

第8巻「青龍の章」

第4章 地悪の星

林冲の妻。死んだと思われていたが、開封府郊外の屋敷で気が触れたまま、高官らの慰みものになっているという衝撃的な情報が侯健からもたらされる。侯健が手に入れた、本人のものに間違いない筆跡で名前が書かれた紙片が林冲に届けられ、生存が確実となる。この知らせを受けた林冲は、彼女を救い出すために戦線を離脱する決意を固めることになる。

第5章 地勇の星

祝家荘戦の最終局面において、彼女の生存を信じて単身で開封府へ向かった林冲の動機として語られる。宋江は、彼女が林冲のために命を断ったと信じられていた過去を指摘し、林冲が彼女に惚れきっていたことを呉用に説く。林冲にとって彼女は、自らの志を捨ててでも守るべき、この世の誰よりも大切な存在として描かれている。

第9巻「嵐翠の章」

第1章 天空の星

林冲の妻であり、物語開始時点では死んだと思われていたが、青蓮寺によって生存情報の偽装が行われる。彼女を救い出そうとした林冲を罠に誘い出すための囮としてその名が使われるが、屋敷に捕らわれていたのは彼女に似た別の女であった。

第2章 地佐の星

直接の登場はないが、林冲が軍規を破って戦線を離脱してまで救おうとした唯一の動機として、物語の中核的な役割を果たす。宋江は、愛する妻のために死力を尽くした林冲の行動を、人が人の心を持てる国を目指す梁山泊の理念に照らして深く理解しようと努める。