史進(ししん)
元禁軍師範・王進の一番弟子で棒術の天才。若さと直情的な気性を持つが、梁山泊での経験を経て仲間を率いる頭領へと成長した。全身を赤で統一した「赤備え」の装いが戦場での際立つ存在感を象徴する。
第1巻「曙光の章」
第2章 天孤の星
史家村の保正の息子として、自慢の棒術で王進に挑むも完敗した。自身の未熟さを悟って王進に弟子入りを志願し、指導を仰いだ。
第4章 天雄の星
王進の過酷な修行に耐え抜き、少華山の盗賊を一撃で撃退するほどの手練れとなった。師の旅立ちにあたっては孝行を優先し、村に留まった。
第6章 天微の星
亡父の跡を継いで保正となったが、魯智深の来訪や少華山の首領たちの義心に触れる。州軍に屋敷を襲われたことを機に、少華山の賊へ加わることを決意した。
第2巻「替天の章」
第4章 天間の星
少華山の頭目として晁蓋の軍勢に加わり、圧倒的な武勇で州軍の先鋒を鉄の棒一本で次々と打ち倒した。晁蓋を総大将として敬い、自らが危険な戦場に突出して敵陣を粉砕する豪胆な働きを見せる。戦いの中で、単なる破壊ではない「自らが闘うことの意味」を改めて見極めようとする純粋な決意を固めた。
第8章 地魔の星
梁山泊の体制が新しく整う中、各地で耐えながら本格的な蜂起の機を待つ中心的な同志の一人として、その名が挙げられている。
第3巻「輪舞の章」
第5章 地魁の星
少華山の頭目として八千の官軍を迎え撃ち、朱武の策に従ってこれを見事に撃退する。しかし、自らの武勇に溺れ、戦後に兵を無慈悲に打ち据えるなど、指導者としての未熟さを露呈する。魯智深によって子午山の王進のもとへ連れて行かれ、武松や王進との立ち合いを通じて自らの弱さと慢心を思い知らされる。そのまま子午山に留まり、土を耕し焼物を焼く生活を通じて、人としての「幅」を養う修行に入る。
第4巻「道蛇の章」
第3章 地孤の星
魯智深に伴われて修行の旅に出たことが、各地の情報網を通じて報告される。彼が不在の間も、少華山は朱武の指揮下で叛乱軍としての色を強めていることが語られる。
第6巻「烈火の章」
第3章 地狗の星
少華山へ帰還し、再会を喜ぶ兵たちの凄まじい鬨の声に迎えられる。朱武らに対して隊長の座を譲る姿勢を見せるが、兵たちの強い要望により再び隊長として山を率い、輝きを取り戻す。
第7巻「烈火の章」
第3章 地周の星
少華山の頭領として、官軍による通信遮断や偽装工作に耐えつつ、赤備えの騎馬隊と歩兵の厳しい調練を繰り返す。誇りを穢す「了義山」の挑発を受け、山寨を捨てて敵を殲滅し、全軍で梁山泊へ向かうという断腸の決断を下す。
第4章 天勇の星
了義山の戦いでは湯隆に贈られた赤い鉄棒を振るって敵軍を粉砕し、圧倒的な武勇で山寨を壊滅させる。梁山泊合流後は林冲と切磋琢磨しながら九竜寨の設営や新たな部隊の編成に励む。
第5章 地賊の星
祝家荘攻略に向けた軍議で、自らの経験から官軍の「荘軍」戦術の正体を看破し、適切な助言を行う。湯隆が新たに鍛えた鉄棒を手に取り、来るべき正面衝突に向けて騎馬隊の練度を極限まで高める。
第8巻「青龍の章」
第3章 天富の星
千三百名の遊撃隊を率いて参戦し、鉄の棒で官軍の騎馬隊を次々と打ち倒す。官軍の包囲を突破して歩兵と合流し、宿元景の本隊に大打撃を与える。
第4章 地悪の星
二竜山や双頭山を包囲する大軍を翻弄し、梁山泊軍本隊の後方を守り抜く。
第5章 地勇の星
祝家荘が陥落するまで、官軍の増援が到着するのを防ぐために原野を駆け回る。
第9巻「嵐翠の章」
第1章 天空の星
梁山泊の首脳会議に参加し、祝家荘戦後の新しい拠点づくりや軍の再編について議論を交わす。
第4章 地走の星
九竜寨の遊撃隊を指揮し、禁軍・楊戩の軍を相手に機敏な攪乱戦を展開して敵陣を動揺させる。
第5章 地暗の星
高唐州に閉じ込められた盧俊義らを救うため、先行して官軍の包囲網を赤い鉄棒一本で突き破る獅子奮奮の働きを見せる。救出の過程で出会った李袞という若者の素質を見抜き、彼を己の遊撃隊へと引き入れる。
第10巻「濁流の章」
第1章 地威の星
梁山泊本営の会議を終えた後、夜の牧を訪れ林冲・馬麟と月明かりの下で語り合う。戦死した仲間の名札を眺め、死の重さを静かに噛みしめる。
第4章 地英の星
寿張の決戦で遊撃隊を率い殿軍を担う。過酷な追撃を食い止めて軍の壊滅を防ぎ多くの命を救う。弟のように可愛がっていた施恩と盟友の穆春の戦死を深く悼む。
第5章 地刑の星
雪辱戦に参加。「志のために死んだ」という認識のもとで呼延灼への怨恨を水に流し、明るい笑いで新生活を促す竹を割ったような豪傑ぶりを見せる。
第11巻「天地の章」
第2章 地全の星
九竜寨にて杜興を副官に迎え残留兵の立て直しを託す。自らは晁蓋とともに双頭山の危機へ出動し埋伏戦によって官軍の寨を制圧して物資を接収する。
第3章 地楽の星
遊撃隊を率いて滄州軍の側面を断ち割る猛攻を仕掛ける。平原攻略後は鮑旭とともに子午山での修行時代を懐かしみ晁蓋から新たな攻城戦略を聞かされる。
第4章 天地の星
双頭山での遊撃戦に参加して官軍を打ちのめす。林冲や晁蓋と戦人としての情熱を語り合い、兵を頭上に差し上げるなど豪放な姿を見せる。
第12巻「天地の章」
第1章 地健の星
九竜寨から遊撃隊を率いて南下し、林冲と連携して流花寨付近の官軍を壊滅させた。夜営の焚火を囲みながら、索超から子午山の王進親子の無事を聞き、かつて自分を導いてくれた王進の母を懐かしんだ。
第2章 地傑の星
騎馬隊の牧にて、燕青から馬上や地上での体術の指導を受けた。燕青に何度も投げ飛ばされ、絶息させられそうになりながらも、その技の冴えを喜び、共に酒を酌み交わした。
第3章 地正の星
済州の城郭を訪れ、民政に忙殺される裴宣に対し、赤騎兵を率いて城内を巡回することで民を安心させる協力を申し出た。
第4章 地蔵の星
北京大名府攻略戦において、林冲の騎馬隊が切り裂いた敵陣を遊撃隊でかき回し、官軍を潰走に追い込んだ。撤退後には朱富の店で、林冲や呼延灼らと共に、関勝が残していった「饅頭の借り」という合図の真意を読み解こうとした。